なんてったってバンコク●

古都・アユタヤ




1767年、アユタヤ王朝は欠落する。
ビルマ軍によって切り取られた仏像の頭は、現在は木の根によって守られ、
安らかなその顔で訪問者達を迎えてくれる。

私が生まれる何百年も前から時間が止まったままのアユタヤは
バンコクの雑踏に少し疲れたら、ふらっと足を伸ばせる距離にあります。


バンコク郊外の観光スポットに行くには、ツアーに参加するのが一番なんだけど、バンコク滞在も一週間近くなると
金銭感覚が完全におかしくなって来る。
アユタヤ日帰りツアー800バーツが、どうしても高過ぎて手が出なかった

そうだ、公共交通機関があるじゃない!

昨日の初バスに続いて、初列車。

バンコクの中心「ファランポーン駅」からほど近いホテルを押さえ、
この日の朝は6時台の列車に乗る意気込みで、いざ出陣!

切符売り場では「アユタヤ」と言っただけで、いちばん早く出発する列車の
チケットを発行してくれた。80キロ先のアユタヤまでは65バーツ。安い!

列車の出発まではずいぶん時間があるので、ホテルのまずいコーヒーの
口直しにカフェで時間を潰していた。




しかし朝から暑い・・・
駅の2階の、見晴らしのいいカフェのテーブルを陣取ったまではヨカッタ。
が、熱気は上に溜まる物。ここは異常に暑い・・・

ここで「アイスコーヒー」なんて愚かな真似はしたくなかった。
アリコーヒーのショックから、まだ立ち直っていなかったから・・・
しかも空腹に激甘コーヒーなんぞ、血糖値が上がっちゃいそう。
断腸の思いで「カフェオレ」を注文する。
ミルクは空腹撃退には最高にいいのよね。

暖かいカフェオレを飲んでいると、体中から汗が噴き出してきた。
でも何かいい気分。体中の毒が蒸発して行くような・・・


ファランポーン駅構内       僧侶だってタバコを吸います。まるで「ジベタリアン」(死語?)



出発の10分前にはホームに向かった。
チケットには「7番線」と書いてあった(ような気がした)
実際には「7」の数字しか認識してなかったんだけどね。
当てずっぽ。でも7番線には人がいっぱい待っている。
たぶん間違いないでしょ。


しかし、間違っていた。

10分後、到着した列車ははるか彼方の10番線。
ここでダッシュすればヨカッタんだけど、確信を持って向かった7番線にも
間もなく列車が入ってくるような気がして仕方なかった。

結局、7番線に列車が到着したのは30分後。発車は1時間後。
指定された列車は見事に間違えていた、が、ファランポーン駅から出発する
列車の多くはアユタヤを通過する。
間違えて乗ったこの列車でも、アユタヤへは行けるようだった。

よく見ると、チケットには座席指定までしてあった。
乗り込んだ列車の車掌さんは、チケットを見せると一瞬怪訝な顔をしていたが、一つの車両に2〜3人しか乗っていないこの列車で
指定席がどーのこーの言ったって何の得にもならないと思ったんだろうか、ニッコリ笑ってチケットにスタンプを押して立ち去った。


とりあえず、自分は今、アユタヤに向かっている。
うれしいなぁ〜と思ったと同時に緊張感が解けて
お腹がぐぅぅぅぅー

列車中でうろうろ往復する駅弁売りから弁当を買った。
豚肉のホーリーバジル炒めごはん、25バーツ。

どうでもいいけど、ホントに辛かった。
全部食べ終わるまでに、2本のビールが必要だった。




いつのまにか駅弁売り君とビール売り君達が
近くの座席で休憩タイムに入っていた。
そこでさらにもう一本、ビールの差し入れをいただく(^-^)v

 
弁当売り君ビール売り君さぼってないで働け〜!(笑)



そのうちにポリス君も登場。
もちろん勤務中・・・



さすが勉強熱心。
私の秘密兵器「旅の指さし会話帳:タイ語編」に夢中。











小一時間、列車に揺られていると、いつのまにかうたた寝をしていた。
朝からのビールははさすがに効いた。

「アユタヤだよー」

ビール売り君に起こされる。
まだ客席で油売ってたんかぃ・・・ビール売りなさい。
前歯の欠けた彼の笑顔で爽やかに目覚めた私の目に飛び込んできたのは雨のアユタヤ・・・

あちゃ〜雨かぃ・・・

まあ、とりあえず来れたからいいか。
異国の地で女が一人、朝からビールをひっかけて列車で居眠り。
気が付いたら「だる○」にされて、どっかの見せ物小屋にいた・・・なんて事になってても不思議じゃないもんな。

アユタヤの駅にたむろする「トゥクトゥク」(バンコクではタクシー、アユタヤでは乗り合いバス)の客引きと
交渉して、1時間150バーツでチャーターしてアユタヤの街巡りにGO!









説明はいらないね





人間って、どうして争うの?





人間達のばからしい争いを、鼻で笑っているみたいだね。




おまけ。




 
どこにもいるのね・・・こういう人・・・・(^-^;                 リス君も歓迎してくれたよ♪


日本に帰国する前の日に行ったアユタヤ、
本当に優しい気持ちにさせてくれる街でした。

タイに行く時にはいつも、正直言って闘ってます。
楽しい事も、おいしい物もいっぱいあるんだけど、
タイ人とは1ケタ違う所得を得ている日本人は
ぼったくりの対象になっても仕方ないんだよね。

自己防衛で、少しキリキリしていた自分だけど、アユタヤの仏像の安らかな顔を見ていると、
「とげ」がすべて抜けて行ったような気がしました。本当に行って良かった・・・。

安い物を求めて、安い値段で最高のサービスを求めて、何度もタイに渡っていることは否定出来ないけど、
いつのまにかタイ人の人間性や、そこにある雄大な自然、歴史的な財産に惚れ込んで、
タイという国を愛しちゃった日本人がたくさんいるっていう事実を、タイ人は認識しているんだろうか?

「花どろぼうは罪にならない」なんて言葉があるよね。

「花」、つまり「富める部分」を、余裕のない人間が盗んでどこが悪い?なんて意味だって解釈するんだけど、
「花どろぼう」が当然の事のように横行している今のタイ。
そしてそれを「仕方ないかぁー」って許している今の日本人。(自分を含めて)
いつまでこんな関係が続くんだろうね。


タイで、何度もガイド付きのツアーに参加してるの。
ガイドさんに案内されて、仏像や寺院なんかの観光名所にはよく行くんだけど、
お客さんそっちのけで、仏像を拝むガイドさんの姿を何度も見てるんだ。

そんな信仰深い人達なんだから、きっと、もっともっと仲良く出来る。
同じ仏教国の人なんだもんね。




翌日の早朝便で帰国しました。

ぼったくられたって、タイ語が読めなくたって、
やっぱり私はタイが好きっ♪

また行くよ。

もっともっとディープなタイを知りたいな。


日本で言えば・・・


たとえば・・・


「津軽」みたいな。










おしまぃ。


飛行機ホテルカンチャナブリー市場1アユタヤ

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