ハジメテ ノ チュウゴク 〜上海 其の




中国のヘソ、上海。

そして上海のヘソゴマ南京路。




上海ど真ん中!

テクテクテクテク・・・
あたしら、どうしてここまで歩くのが好きなん?っていう位に歩いてやっとたどり着きました。南京路
雑誌やガイドブックの写真からは、香港の繁華街みたいなのを想像してたんだけど、たどり着いた先は
まるで「銀座のホコテン」。
巨大なデパートやショッピングセンターが建ち並び、歩く速度より遅い観光用チンチン電車が走る。

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すさまじい数の土産物屋・・・こりゃ片っ端から見てたら3日はかかるぞ・・・
しかし時間がない。今夜は上海雑技団を予約してるしぃ・・・早めに腹ごしらえしてホテルに戻らねば。
この大繁華街を軽く流し、腹ごしらえスポットを探しに人民公園方面へ。
南京路が銀座なら、人民公園周辺は代々木公園って所だろうか?
おしゃれな店が点在し、昼間は屋台で賑わう。
上海蟹も小籠包も食べたかったが、一度位はおしゃれな店で食事したかった。最後の夜だしね。
つぅ事で、通りを見渡せる3Fにあるカフェ風のレストランに入ってみる。
ここは中国だ。どこに行っても中華料理位は食べれるべ。

とりあえずビールを注文、そしてメニューを見ると・・・
中国語表記に英語での説明。
おいしい麺が食べたかった。
「肉」「麺」の漢字を頼りに、手探りで一品注文。
のりちゃんは「牛」の付いた料理を注文。

そして待つこと数分・・・
私の前にはフォーク、スプーン、サラダ、コーンスープが並べられる。
一体何が出てくるんだぁ〜?




はい、来ましたよ。
すぱげっち。

しかもオーバーボイルのパスタ。
小学校の頃、給食に出ると胸はずんだソフト麺の味でした。

「肉」「麺」確かにその通りなんだがなぁー。
まさか最後の夜にこんなもん食べる羽目になるとは・・・トホホ。

ちなみにのりちゃんは野菜と牛肉のスパイシー炒め
中華な香りは一切しませんでした。

トホホ・・・。

こんな事で落ち込んでる場合じゃない。
なんだかんだですぱげっちを平らげると、タクシーを拾う。
今夜のホテルは千鶴賓館
何もかもライトアップされている上海の夜・・・
ホテルも例外にもれずライトアップされていた。
団体旅行のホテルとしては極上の部類に入るんではないかい?
ただちょっと、市街地からは遠いのが難点。

APECを2日後に控えた上海の交通規制は凄まじかった。
普通なら10分とかからなそうな距離だったが、遠回りの挙げ句
30分以上かけてホテルに到着。
雑技団行きのツアーのピックアップ時間ぎりぎりになって
ホテルに滑り込み、雑技団ツアーへと出発する。



公共の建物、個人のアパート、その植え込み、高速道路の橋桁までがライトアップされた上海の夜は、まさに
息をのむ美しさだった。(↓クリックで拡大するよ〜♪)そんな夜景を横目に、雑技団の公演の行われるスタジアムへ。
上海「バンド」のライトアップ。クリックで拡大しま〜す。 高速道路の橋桁もライトアップ 「バンド」の夜景

上海雑技団 クリックでおっきくなりま〜す

上海雑技団の公演の行われるスタジアムは、巨大なドリアンのような形だった。
おびただしい数の団体バスが続々と集まって来る。
ただのサーカスという表現をする事が出来そうにもない、その人間の限界を
越えたような技の数々は、観客達を圧倒する。
約2時間、観客の心をぐいっとつかみ、トイレに立つ時間さえ与えない。
TVでもおなじみなので、その凄さは想像付くと思うが、中国ではいくつもの
団体がその技を競い、常に新しい技を作りだしている。
ここまで世界中の人間を集める上海雑技団、その理由は、生で見てみないと
わからないような気がした。まじで「手に汗」握っちゃったもんなぁ・・・(^-^;



再び夜景を眺めながらホテルへと向かう。
何か忘れているような・・・そう、マッサージ!
中国4000年の技で、体中のツボというツボをぐぃぃぃぃ〜とやってもらおうじゃないの。
ホテルの近くのマッサージ屋に飛び込む。一時間、45元(約650円)。
夢心地の一時間だった。はぁ・・・会話が出来たらいっぱいリクエストしちゃうのになぁ・・・
あーんな事や、こーんな事・・・。

マサージを終えると、すでに12時近かった。
明日は早朝発なので、ここでお金を使い切りたい・・・
ふと目にとまったコンビニに入る。
様々な食材や雑貨をキャーキャー言いながらカゴに放り込み、いざお会計・・・という段階になって、
レジのおっさんがパイプ椅子に座ったまま身動きひとつしないでこっちをにらみつけていた。

なっ、なんだ・・・このイヤな空気は・・・
私ってば、嫌われた?万引きと間違えられた?いやいや、日本人には売らねぇってか?この店は?

レジ脇には店員と思われる女性が、同じく私の事を見ている。
恐る恐る「チェ、チェック、プ、プリーズ・・・」と言うと、何だかわけわかんない中国語でまくしたてられた。

一体なんなんだぁ〜!?

そこへカゴに食材を満載したのりちゃんがレジへとやって来たが、店員は相変わらず無言でにらみつける。
中国語で何やらまくしたてた挙げ句、両手で「×」のリアクション・・・

やっぱ・・・旅行者が来る所ではなかったのか・・・と絶望にかられ、買い物を諦めようとしたその時、
レジカウンターの向こうでにらみつけていたオヤジが女性店員と顔を見合わせ笑い出した。

おっちゃんは紙に漢字を並べ、私達に筆談での会話を試み始めた。

ほっ・・・筆談なら何とか行けるべ・・・


甘かった。

漢字らしきその文字の半分以上は見たこともない文字だった・・・。

悪戦苦闘の末、私達はやっと、店のレジを締めてしまった事を察する。
そう、閉店間際に駆け込んで、キャーキャー言いながら数十分、買い物を楽しんでいたわけだから無理もない。

じゃぁ買い物中に声かけろっちゅーの・・・声かけられてもわかんなかったか・・・(^-^;

おっちゃんともおばちゃんとも、必死の筆談を通してうち解けたらしく、買いたい物は何とかお会計してもらえた。
しっかり自己紹介までして来た。「ゆうこ」という名前はお気に召していただいたようで、何度も何度も得意になって
連呼してくれたおっちゃん・・・あたしゃ疲れたよ。



翌日・・・つーか、当日は5時起床、5時半集合で空港に向かわなければならない。
コンビニでビールを購入、いぃ〜気分で睡眠に入った私は、当然、翌日の集合時間にはもうろうとした状態・・・・

初添乗員の青森在住の中国人、季(リー)さんの搭乗手続きは、客をロビーに立たせたまま、小一時間に及んだ。
あまりの手際の悪さに、客の荷物にクレームタグを付ける作業を、ツアー客のほとんどが自主的に手伝い出す始末。
だって、出発予定時間の15分前を切ってたんだもん・・・
でもね、季さんは恐らく誰にでも愛されるキャラ。鳩山さんにソックリだし♪みんな喜んで手伝ってましたよ。

さて、中国西北航空は、予定時間よりかなり遅れて青森に向けて飛び立つ・・・かな、と思ったその瞬間、
客席の前方で大騒ぎを始めた女性出現・・・

彼女は青森在住の中国人。
空港のどこかに、パスポートを入れたバッグを置き忘れたとの事。
飛行機は離陸寸前・・・彼女はお気の毒だけど・・・一体どうなることやら。

彼女がいくら騒いでも、一度閉じた飛行機の扉は開かなかった。
アイドリング状態で30分以上、空港内の大捜索が始まったようだ。
結局、予定時刻より1時間以上遅れ、飛行機は青森へ向かう。

パスポート?どうなったかなんて知りません。
騒ぐだけ騒いで、飛行機を遅らせ、離陸したとたんに静かになってたんだから・・・
彼女の口から、何か一言あってもいいよなぁーって思ったのは、私一人じゃなかったはず。





帰りの飛行機も相変わらずガラガラ・・・
のりちゃんはシートを横一列使い、爆睡に入る。
私は・・・うっしっし、おきまりの「アレ」を朝からひっかけ、爆睡に入った。
爆睡出来る程のフライト時間じゃないんだけどね・・・
ほんの3時間ちょいの旅でした。






軽いノリで旅立った中国だった。
お隣の巨大な国であるにもかかわらず、勝手に思い描いていたイメージでしか見ることがなかった中国。
そう、おとなしい人民が、同じ顔して、自転車に乗っていると思っていた中国。

生の中国はモノクロじゃない。
今回の「殿様パックツアー」では、その位しか知ることが出来なかったと思うが、これだけでもかなりの収穫だった。

街は様々なカラーで彩られ、人々・・・いや、「群衆」の発するパワーには底知れないものを感じた。
歴史的な建造物からは、いにしえの人々が現代に向けて発するオーラさえ感じられるような気がした。

旅行中、何度もタイムトリップを繰り返していた。
古代遺跡近代都市ビルの谷間で時間が止まったままの路地・・・
見事に進化を遂げた近代都市にも、しっかりといにしえの中国が残っているのが、むしょうに嬉しかった。


      ●   ●   ●


うちの近所にも「いにしえのニッポン」がある。
縄文時代の竪穴式住居を再現した「三内丸山遺跡」。古すぎるって?まぁ、いいじゃない。
たまには散歩がてら、縄文人の生活を覗きに行くのもいいかもしれない。こんなのもあるし。
小さなタイムトリップ。日常に疲れた時、究極の癒しになるような気がするから・・・。




お付き合いありがとうございました。
おしまぃ。



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